全身の出生前診断
出生前診断
出生前診断とは
出生前診断とは
出生前診断とは、赤ちゃんがお母さんの子宮内にいる間に、生まれ持った疾患の有無を診断することを意味します。
子宮内にいる間に適切に評価し準備することで、赤ちゃんが生まれた後にスムースに治療を開始でき、より良い結果が期待できる病気もあります。
検査方法について
胎児精密超音波検査
胎児精密超音波検査
生まれながらに内臓あるいは外表上の特徴や疾患を持つ赤ちゃんは、約2-5%であり、その重症度は様々です。胎児精密超音波検査では、通常の妊婦健診よりも詳細に、赤ちゃんの体の特徴や血液の流れの異常がないか検査を行います。妊娠18-20週時には当院分娩予定の方全員に、またその他にも妊婦健診において詳細な検討が必要と判断した際に、じっくりと時間をかけて赤ちゃんの特徴を超音波で観察します。必要に応じて、胎児CT検査やMRI検査を行うことも可能です。このような赤ちゃんの形を見る検査では、臓器の機能やごく微細な形の変化については評価が困難です。診断するだけではなく、それに対してご家族のご希望に沿って、最適な対応をご提案し、分娩・生後の治療まで一貫して行うことが可能です。
当院で診断・治療した形態異常の例
- 胎児心臓疾患
- 水腎症
- 横隔膜ヘルニア
- 全前脳胞症
- 食道閉鎖
- 先天性肺気道奇形
- Dandy-Walker症候群
- 小腸閉鎖
- 口唇口蓋裂
- 脊髄髄膜瘤
染色体検査
染色体検査
ご希望のあるご夫婦に対して、染色体の本数や形の変化についての検査を、通常の妊婦健診とは別に遺伝外来にて行っています。十分な遺伝カウンセリングのうえ、妊娠初期精密超音波スクリーニング、母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)といった流産のリスクのないスクリーニング検査から、絨毛検査、羊水検査などの確定的検査まで幅広い診療を行っています。当院のNIPTは母体血液での一部の染色体異常(21トリソミー(ダウン)症候群、18トリソミー症候群、13トリソミー症候群)のみを検査対象としています。当院の遺伝外来の特徴として、総合周産期センターという強みを活かして、遺伝カウンセリングからその後の検査、対応まで一貫して責任をもって行っています。他院からの紹介も含め、染色体に変化のあるお子さんの診断、出産、生後の治療も行っています。
また当院には、ご夫婦のいずれかが遺伝性疾患をお持ちである、あるいは遺伝性疾患の家族歴がある方も、少なからずご相談にいらっしゃいます。必要に応じて、臨床遺伝カウンセラーや小児科、内科の臨床遺伝専門医とも協力しながらあらゆるご夫婦の悩みに対応しています。
2021年診療実績
2021年診療実績
羊水検査 | 29件 |
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絨毛検査 | 4件 |
NIPT | 68件 |
よくある質問
- 妊婦健診で赤ちゃんの様子がみれますか?
診察室での動画や写真撮影はご遠慮いただいておりますが、エコーで胎児を一緒に観察し、写真をお渡ししております。
- 赤ちゃんの状態を説明してもらえますか?
妊婦健診で胎児の成長や状態を説明しています。赤ちゃんに心配なことがあれば、外来診察医にいつでもおっしゃってください。
- 周産期遺伝外来はいつですか?
外来は, 毎週火曜日(午後)、木曜日(午後)に行っています。ご夫婦のご意向、児の状態に寄り 添って検査の内容や時期を相談しています。